あき鍼灸院 ブログ

左手のしびれが腰の施術で




目次
  • 左手のしびれを訴える男性(40代)
  • 所見
  • 施術
  • 手のしびれに悩んでいる方は多いです
  • 何故手のしびれが腰の施術で改善できたのか?


左手のしびれを訴える男性(40代)
 
以前から出たり引いたりしていた「左手のしびれ」が最近強く感じるようになってきた


最近、仕事でパソコンに向かう時間が以前より多くなっている
レントゲンなどの診断では「頚椎ヘルニア」の診断が出ているが、きつい状態ではないので様子を見ながらと言われている


特に左手の親指、人差し指、中指にしびれが出やすい
肩こりを感じてくるとしびれが出やすく感じるとのこと



所見
来院時はしびれを感じてはいなかった
胸郭出口や手根管症候群や橈骨神経麻痺のテストは陰性


唯一、顔を上に向けて首が反る姿勢をとると、左側の首の付け根と肩に重く詰まるような違和感を感じる様子


顔を上に向けると少し左手指にもしびれを感じる

左手親指、人差し指、中指は神経支配領域(デルマトーム)において
首の6番目と7番目の神経が関わっています

テストやレントゲンからの所見も合わせると6番目7番目の頚椎に何らかの状態異常があると考えられます

目視と触診では、頚椎の5番目、6番目、7番目が左側に回旋している状態、腰が左に歪んでいる状態


施術

腰の歪がむと首も歪む
施術の順番として、最初から訴える場所から始めるケースもありますが、手のしびれであっても腰の施術から始めるケースもあります

今回の場合は腰の歪みをとることから始めました

腰の5番目、6番目、7番目が左側に歪んでいる状態を真っ直ぐに戻したところで、顔を上に向けるテストで状態をチェック


左首と左肩の詰まり感がなくなり、手のしびれも動作チェックで出ていない

目視、触診でも頚椎が左側に歪んでいたものが真っ直ぐに戻っている


腰の歪みをとることで頚椎の歪みも改善し、不快な症状を緩和することにつながったと考えられる

術後、しびれ、首肩の不快感も改善し腰の状態もよいとのこと





手のしびれに悩んでいる方は多いです
手根管症候群

胸郭出口症候群
肘部管症候群
橈骨神経麻痺
など

症状としては同じように感じる「手のしびれ」でも原因や成り立ちには個人差があり、当然アプローチ方法や触る場所も違ってきます


ですので、「手のしびれ」にはこの方法が効果があるからっとすぐに施術にはいることは良くありません


問診や触診、動作テストなどの最初の診断がとても重要で、ポイントを絞ることで、施術の効果も変わってきますし、改善への道筋もたちやすくなります


「その施術は何を考えて行っているのか?」
師匠の受け売りですが、口を酸っぱくしてでも伝えて頂いている教えです



何故手のしびれが腰の施術改善できたのか?
来院された男性の手のしびれは何故改善したのか?





それは





腰の歪みをとることで首の状態も変化させることには理論があるからです
↓図のように頚椎と腰椎は動きの中で連動しています



頚椎、腰椎がお互いに筋肉や神経で直接結び付いていることではなく、機能的に連動しているということです

つまり
頚椎が左側を向けば、腰椎も左側に向くという連動性があるのです


今回の左手のしびれは、首の骨が左側に歪んでいることで起こっていました


ですが、首の歪みは腰の歪みによって起こっていたので、腰への施術で状態の改善につなげることができました

逆に腰の緊張を首から緩めることもあります


骨盤の矯正をするにしてもどういう意図でするのか?
が大事です


単純に骨盤だけを狙ったものなのか
それとも、他の状態異常のことも考えたものなのか


理想的には多すぎる刺激はカラダが疲れてしまうので、一ヶ所の刺激だけでカラダの歪みが正されて、不調が改善できれば一番よいです