あき鍼灸院 ブログ

味のお話し(甘味)



 飲食物が原因で病気になる場合は

☑五味の過不足
☑食べ過ぎ
☑飢え
☑食中毒
などが考えられます


なかでも
☑五味の過不足

は、

言い換えるなら栄養状態のアンバランスで、体調を崩す、元にもなります。


 東洋古典治療では、味を五つに分類し診断や治療に役立てています

酸味(さんみ)
苦味(にがみ)
甘味(あまみ)
辛味(からみ)
鹹味(かんみ)

この五つの味を平均して口にしていると健康が保たれやすくgood

食べ過ぎや食べなさすぎで体調を崩すことはもちろんあります。それに加えて、五味が片寄って過不足が出た状態だと病になりやすくなるとされています。down


またこの五味ではそれぞれ作用があり、それを体系立ておくことで、診療にも治療にも養生指導にも使用できると言うわけですshine


そしてこの五味はそれぞれ木火土金水にわけられそこからわけられた臓器とも関連して考えれていますhappy01

五行 味.png



 甘味について

☑緩める作用があります。
☑肌肉(きにく)を栄養します。


 緩める作用とは

気、血、津液を増やして体各部を潤すと言う意味があります。

ですので、体が弱っている人などは、甘味のもをとると良いですし、肉体労働などをした後などに甘味のモノをとると

体が潤います。


 肌肉(きにく)

人体は肌肉でできているところが多くあります。

☑臓腑
☑口、唇
☑四肢
・・・など

☑肌肉は津液や血を必要とします。この津液や血を生成しているモノが『脾』となります

肉が落ちてきたり、ぶよぶよと締まりのない人は脾虚【脾の弱り】が多いです。
これは、脾が弱っているために津液や血が不足して、臓腑がやせてしまっている状態です。

☑口、唇も『脾』が支配しています。

口は、気血津液を生成する入り口です。ですので、『脾』が支配しているとなります。

診断でも唇の色で脾の状態を判断する材料の一つとしています。

口内炎などの口の異常は、脾虚ので治療するケースが多いです。

☑四肢には肌肉が多く、そのため脾虚の場合→四肢の倦怠感を訴えたり、力がなかったり、痩せていたりします。

脾虚でも脾虚寒証と脾虚熱証があり、
脾虚熱証の方は四肢に力があります。

 肌肉を栄養する

古典の『霊枢』という書物には、

「穀味の甘はまず脾に走る」

と記されています。

脾がしっかりとすることで、気血津液の生成が活発になります。

『素問』という古典書物には、

「甘は肉に走る」

としています。甘味のモノは肌肉(きにく)をます栄養するのです。

ですので肌肉(きにく)に力がない人、例えば子供などは動物性のタンパク質よりも穀類を多く食べさせると良いのです

逆に太りすぎて肌肉(きにく)が、旺盛になっている人は甘いものを控えなければなりません。



 甘味の食べ物

☑サツマイモ
☑ジャガイモ
☑米
☑蜂蜜
☑カボチャ
・・・などです

古典書物『素問』には
☑牛肉
☑ナツメ
☑オクラ(秋葵)
・・・などが記されています。

但し同じ甘味でも精製した砂糖や人工甘味料ではなく、あくまで自然なものの甘味をとることが大切です。


次回は「辛味」になります