あき鍼灸院 ブログ

蔵象学(生理学)  肝の生理学

今回のテーマは 蔵象学(生理学)ですhappy01
 
東洋学にもしっかりと生理学があります。それが蔵象学です

東洋学的な視点で見るか、西洋学的な視点で見るかで 一つのものがまた違った形で見えてくるところが何ともおもしろい♪

西洋学的に見ようとすると ??となってしまうところもあるので、「ふ~ん、東洋医学ってそうなんだ~」といった感じで読み進めていただくと

ありがたいですconfident

 
ちなみに 『蔵』は 広義の意味合い
       『臓』は 狭義の意味合い で使われています
 
 五行色体表
 
東洋古典の考え方の一つで、自然界を五行に分けます。他にも人体の部位や働き、病気の原因、病理、病症なども五行、五臓を中心にして分類されています。

そしてこれを表に表したものを 五行色体表(下↓一部抜粋)といいます。
 
五行 木  火  土  金  水
 
五臓 肝  心  脾  肺  腎
 
五腑 胆  小腸 胃  大腸 膀胱
 
五主 筋膜 血脈 肌肉 皮毛 骨髄
 
五官 目  舌  口  鼻  耳
 
五志 努  喜  思  憂  恐
 
五華 爪  面色 唇  毛  髪
 
五味 酸  苦  甘  辛  鹹
 
五神 魂  神  意知 魄気 精志
 
五季 春  夏  長夏 春  冬
などなど 他にもたくさんあります。

 
 
 肝の蔵象学 (蔵象=西洋学で言うところの生理学)
 
 
・カラダの活動を円滑に行わせたり、休息させたりします。
 
・肝がしっかりとしていることで、変化にも動じず適切に対応して、素早く行動できるとしています
 逆に弱っていると、イライラしたり、おどおどしたりします
 (肝の弱り=肝虚)

 肝は春によく働く(発生作用=血によって行われる)
 
 ですので、春は積極的に行動しやすくなります。 
 
 冬に無理をしていると春に肝の働きが悪くなり、調子が悪くなります。


 血を集める作用
 
 肝には収斂作用(しゅうれんさよう)が備わっていて(肝気の作用)、肝に血を集めようとします
 
 血を集めて、貯蔵することでしっかりと働くことができます
 
 
  身体の血流量を調整します
  睡眠の良し悪しはこの作用が大きく関わっています
   例えば【不眠症】 
   血は昼間、必要な場所に行って働いて、夜に肝へ帰ってくる。ですが、血の力不足や血の停滞により
   肝に血が帰れないと眠れなくなるとされています=陰陽の交流が悪い
   昼間に頭に昇った陽気が帰れず夜も頭にとどまってしまうため、目がさえて眠れくなります
 
 
 目、爪、筋を支配しています。肝の調子が悪いと(疲れていると)関連して症状が現れます
 
 目の症状→(かすみ目、充血、近視、色盲、白内障、緑内障、眼底出血、角膜炎、結膜炎など)
 *目がよく見えるのは肝日が多いため

 爪の症状→(爪の色の変化、爪に線が入ったりする、爪がやせて薄くなる)
 
 筋の症状→(肩こり、こむら返り、ばね指、婦人科疾患、腰痛、五十肩、
筋肉痛
         事故や怪我や手術予後がわるい、不眠、精力減退、不妊 ・・・など)
 
 
 肝は酸味を欲しがります
 「酸味の性質:酸味には収斂作用(しゅうれんさよう)があります=引き締めて鎮める作用のことです。」
  
  肝気が不足して→肝に血を集められないときに、酸味を必要としてきます。
  
  ですので、疲れて肝が弱っただるい状態の時は酸味が必要なのです
  
  しかし、酸味はすぐに効かないため肝虚のある人は酸味を嫌いやすいです。
  
  そして一時の元気を得たいために辛いモノを好む傾向にあります。
  (*肝血が不足しているため辛みやコーヒーなどの興奮剤を用いて力を補おうとしているためです)
  
  肝が強くなると、脾胃の働きが悪くなります(脾胃は酸味の収斂の作用を嫌います)ので、
酸味はほどほどがよいとされています。
 
 
 肝の性質(肝は魂を蔵して、判断力や計画性などの精神活動を支配します)
 決断力がありテキパキとしていて、積極的で潔癖に物事をこなしていく心情です
 
 肝がしっかりとしていて血が多ければ、その力によって考えたことがしっかりできます

 血の不足があると頭でわかっていても血の不足のために身体が動かず行動がついて行けません
 
 そのためにイライラしやすく、怒りっぽくなってしまいます。
 
 決断力も鈍っています。
 
 より血が不足してくると消極的になり、人に会うことも嫌になってきます。
 
 
 
 肝の症状(*肝だけに限った症状でないものもあります。)
 冷えのぼせに準ずる症状(めまい、耳鳴り、難聴、肩こり、頭痛、足冷え、鼻出血・・・など)
 
 精神系の病(イライラする、ため息が多くでる、人と会うのが嫌、うつ病・・・など)、
 
 胸痛、心窩部痛、膝の痛み、筋肉の引きつりや麻痺やふるえ(半身不随、パーキンソン病)
 
 婦人科疾患、吐き気、嘔吐、顎関節症、アゴのリンパ腺の腫れ、腱鞘炎(ばね指・・・など)
 
 腰痛、不眠、顔面神経麻痺、坐骨神経痛、便秘、下痢、口の苦み

 目の病(眼精疲労、視力低下、緑内障、白内障、色盲、眼底出血、角膜炎、結膜炎・・・など)
 
 
産後の不調、精力減退、不妊

 むち打ち(首のねんざ)、けがや手術後の予後不良
 
 スポーツ時のコンディション不良や体調不調・・・など
 
 ・・・などなど他にも肝にアプローチしていくことで改善、完治していく病がいくつもあります。



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