あき鍼灸院 ブログ

ある腰痛男性への施術(30代)【スキーのケガの影響】/京都 あき鍼灸院


目次
  • 「トラウマ」
  • 「トラウマ」がカラダに与える影響(その1)
  • ある腰痛男性への施術
  • 何故腰の骨が緊張して小さくなっていたのか?
  • 「トラウマ」がカラダに与える影響(その2)
  • あとがき




「トラウマ」
運動やスポーツでケガはつきものです
そこにはプロ選手であっても遊びであってもついてきます


特に大きなケガや衝撃がカラダに加わってしまうと要注意です


大きなケガや衝撃はカラダにトラウマを与えてしまうからです


トラウマとは、フロイトが唱えた精神への強いショックが心身に影響をあたえる「心的外傷」をさすことが知られています

それ以外にもギリシャ語で「ケガやケガでできた傷」をさすこともあります




「トラウマ」がカラダに与える影響(その1)
大きなケガや衝撃による強い「トラウマ」は、肉体に記憶されることがあります


そしてケガや衝撃を受けた箇所が常に緊張しやすくなったり動きが固くなります
その影響で繰り返して痛みが発生する「慢性的な痛み」としてあらわれることがあります


この考えはオステオパシー的な考え方で、一般的な西予医学とは少し違う視点を持っています



一般的な西洋医学ではキズや炎症がひけば治ったものとされます


ですが、痛みが残ったり体調や季節や気温の変化の時に同じように痛みがでることが現実としてあるのです


これを簡単に「考えすぎ」や「気の問題」や「そのうち治まるから」とせずにオステオパシーでは治療としても学問的にも原因を現在進行形で考えています。




ある腰痛男性への施術

左側の腰に腰痛を持った男性が来院されました


レントゲンなどの検査では問題なく湿布をわたされたそうです


別の治療院でもマッサージや電気治療をしても関節の歪みといわれて歪みを正してもらってもすぐに痛みがでるのです


注意深く観察していると、左側の腰の呼吸筋肉の働きが右側に比べて明らかに動きわるいのです


初めはこれが原因かと考え呼吸筋肉が正しく活動できるように施術しました
術後、腰の軽さも感じて頂いていたので、一週間後の予約を頂き様子を診ていくことにしました


一週間後来院された時は、また左の腰が痛みだしたとのことでした


左の腰の呼吸筋肉もまた固く動きが悪くなっていました





検査方法を変え違う視点から診てみると、左側の骨盤である寛骨(かんこつ)が明らかに右に比べて小さいのです


その事を伝え「何かなかったか?」を伺うと、20代の頃「スキーで転んで激しく腰を木に打ちつけたことがある」と答えがありました


これが原因ではと緊張している左の寛骨をリリースして緩めていく施術をしていきました


施術中、リリースしている「骨盤に温かい血液が流れ混んでくる感じがして気持ちいい」と話されました


術後、腰の不快感はなくなり、動きの固かった呼吸筋も正しく動き柔かさがでていました
一週間後に予約頂き診せていただくことに


一週間後、来院されると「腰の軽さは継続している」とのことでした


以降、同様の施術を繰り返すとともに、他の緊張やカラダの不安定な状態を改善しつつ6回目で治療を終わりました


現在ではメンテナンスに時々来院頂いていますが、以前のような腰の不調は出ていないとことです
 





何故腰の骨が小さくなって緊張していたのか?

腰痛改善のポイントになった骨盤の緊張ですが、スキーで転んで木にぶつけた時の大きな衝撃が原因と考えています


左腰と骨盤への大きな衝撃が「トラウマ」として筋肉や骨盤にとどまり、神経と筋肉の慢性的な緊張を与えしまっていたのです





「トラウマ」がカラダに与える影響(その2)
スポーツ以外でも事故などでも受けた衝撃がその事のカラダに影響を与え続け続けることがよくあります


緊張が慢性化した筋肉や骨は血液の流れも悪くなります


緊張した骨盤をリリースして緩めた時に
「骨盤に温かい血液が流れ混んでくる感じがして気持ちいい」
といった感じを話されていましたが、感じられていた感覚そのままで、骨の緊張が緩み正に骨に血液が流れ込んでいた感覚そのものでした


大きな衝撃で骨も筋肉も固く小さく緊張していたので、それが解放された感覚を感じられていました



スポーツや事故などで受けた大きな衝撃や骨折した箇所には少なからずこうした「トラウマ」を抱えています


そして、緊張が緊張を生みカラダのバランスが崩れて不調や痛みになってあらわれことが多いのです


スポーツをしていればパフォーマンスが低下した原因がこうした「トラウマ」にあることも珍しくありません



あとがき
今回メインにした施術方法はオステオパシーによるものです
鍼もつかいましたが、オステオパシーのほうがうまくいくと考え、そうした選択になりました


どんな施術方法であれ良くなればよいので、引き出しがあると選択の幅が広がりますし、診断するときも多角的に診る癖がつくようになります。
一つの施術方法で効果が小さければ、違う方法をとります



少し乱暴な言い方になりますが、「考えすぎ」や「気の問題」や「そのうち治まるから」では診断や治療を放棄したの同じだと考えています


どこに改善解消につながる糸口があるのかを診て考えて治療していくことがとても大事です