あき鍼灸院 ブログ

女性の坐骨神経痛 手術で生まれる痛み


目次
  • 坐骨神経痛(子宮を全摘している)
    女性(50代)
  • 施術
  • 坐骨神経痛とは
  • 女性の坐骨神経痛
  • 手術で生まれる痛み
  • 終わりに



坐骨神経痛(子宮を全摘している)
女性(50代)

右のお尻から足がいたむ
3年前に子宮筋腫で子宮を全摘している
全摘前にも同様のお尻から足にかけて強い痛みがでていて
子宮筋腫をとってから痛みが落ち着いていた
最近になって以前ほどではないが痛みがもどってきた


この患者さんは以前のお尻から足にかけて痛くて来院されていた
その時は子宮筋腫が大きくなっていたので(腹部が腫れていてわかるほど)、筋腫が筋肉組織や神経を圧迫して起こしている痛みだと考え、先に内科診断をしていただいた
診察結果では非常に多きな筋腫になっており総合病院での子宮の全摘となった



手術後の経過は良好で、あれほど痛かったお尻から足の痛みも消失しているとのことだった





最近また同様の痛みがでてきたので来院された



筋腫を摘出しているので、前回のような可能性はない
ヘルニアの検査も陰性である
腹部の緊張が見られる
脈診では「肝」と「腎」の弱りが見られる





施術
オステオパシー
腰の骨の動きの固さを改善し張からくるお腹の圧痛を手技療法でとる

腰の左右の回旋がしやすくなる




鍼灸
うつ伏せ
肩、背中、腰、殿部への置鍼(10分)

仰向け
曲泉、陰谷に置鍼(10分)
下腹部への温灸(15分)


術後
お尻から足の痛み軽くなる


様子をみてもらう


次の日、痛みが楽になっているとの報告を受ける












坐骨神経痛とは
坐骨神経痛は腰から出ている神経が何らかの影響で圧痛を受けた結果起こる神経痛です




坐骨神経がでている腰の骨や関節の問題
腰やお尻の筋肉組織が緊張したいるために起こされるもの
そして子宮筋腫など内臓に神経を圧迫して起こるものなどがあります



この患者さんは前回の神経痛はまさに筋腫の神経の圧迫から起きており、神経が緊張しっぱなしになったため坐骨神経に沿った筋肉組織が興奮して緊張してしまい坐骨神経痛が生まれていました









女性の坐骨神経痛

子宮筋腫や子宮周りの組織の状態が坐骨神経痛に関わって出てきていることは珍しくありません
女性は男性と内臓の構造が少しちがってきます
ですので、女性をみるときはそのことも考慮してみていきます



ですが、子宮を全摘してからも起こっているこの坐骨神経痛は
違う可能性から引き起こされていました



それは腹部の緊張です




腹部が緊張していると、筋肉組織の連動性や構造的に腰が緊張してしまいます


患者さんの腹部の緊張は手術で切って、縫合した痕の組織が引っ張って緊張を起こしてしまい、腰の組織が緊張したために引き起こされた坐骨神経痛になっていました








手術で生まれる痛み
手術後は何ともなかったが、しばらくしてや何年かしてから出てくる痛みがあります


切って縫った組織は緊張しやすい状態になります
そのため他の組織が、緊張して動かしにくい場所に変わって働くのですが、やはり無理がかかるので、代替している組織も今度は緊張してしまい



結果、色々な場所に新たな緊張と痛みを作ってしまうのです




その手術がお医者さんのなかでは簡単で負担が少ないとされる盲腸(虫垂炎)の手術であっても影響はまぬがれません








終わりに
私自身、虫垂炎の手術をしています
やはり
手術したがわのお腹が伸びづらく、その緊張から腰が痛くなる傾向にあります
ですので、その状態をふまえてセルフケアはかかせません



手術はしておわりではなくて、むしろそこから一生付き合っていかねばなりません
年齢を重ねたり、運動不足から筋肉量が落ちたり、柔軟性がなくなっていくと、手術による影響がよりでてきます


これは、何十年も前の手術でも同じです

ですので、極力切ることはおすすめしません
ですが
手術する場合は、その後のケアも含めた提案をさせていただいています