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あき鍼灸院 ブログ : 蔵象学

蔵象学(生理学) 脾、胃について




 脾の蔵象学 (蔵象=西洋学で言うところの生理学)

脾胃は表裏の関係で
脾が蔵で陰です。胃が府で陽になります。


☑脾は気血を作り出す

脾には「意・智」といわれる先天の気(両親から引き継いだもの)があります。

これに、後天の気(脾、胃により飲食物を消化吸収して得られる)が合わさって 脾気(ひき) となります。

脾気は、胃・大腸・小腸などを働かせて 気血 を作り体の各方面へ送ります。

そして、脾そのものも養います



☑脾は陰中の至陰だと言われています。

のように猛々しい性質ではなく、のように気を巡らせたりはしませんし、心(しん)のように常に活動的でもありません。

また、のように心包の相火(しんぽうのそうか)を欲しがったりはしません。

静かに思いを巡らす哲学者のように、意を以て気血津液を生成しているのです。

これを人間の感情に置き換えると 「思う」 と言うことになります。



☑脾と胃。

で作られた津液が巡らします。ですが、は 腎の蔵している津液 がないと脾は働けません。

腎は、各臓の持っている 先天の気の元締め なので腎がしっかりしていないと脾は働けません。

逆に 脾が栄養を送らないと 腎は弱って働けなくなります。

この関係を脾腎の相克関係といいます


また胃には陽気がありますが、これは、心包から来た相火 です

腎から来た津液 + 心包から来た相火 によって気血津液が生成できるのです

六腑全ては胃に関連して気血生成に関わっています。

ですので、全て府(大腸、小腸、胆、膀胱、三焦) は脾の支配下に属しているといえるのです。

実際の治療でも 脾が弱ることで これらの府に病が表れていることがあります。



脾→胃→大腸(大便を排泄)
     
     →小腸(小便を膀胱へ送る)
     
         →胆(臓腑の中性を保つ)
      
         →膀胱(小便の排泄)
      
         →三焦(気を巡らす)

    








 脾には、陽気がありません。


ですので、何らかの病で熱が脾に入ると死亡してしまいます。

通常は脾の気が、胃に熱を返します





 脾の支配部位は、肌肉(きにく)、唇、口、四肢

古典では脾胃のことを『倉廩(そうりん=米倉のこと)の官』といい、血を作り出す元になっていると言っています。

作り出された血は、脾胃はもちろんのこと、臓腑や筋骨、肌肉、皮毛といった形あるもののを実質を補います

体を作るとも言い換えられます。


血が不足すると体が痩せてきます。特に以下のような部位に症状があらわれてきます。


☑肌肉(きにく)
全身の運動を司る組織の1つで、脾の運化機能により営養される

今で言うところの脂肪層で、血がすくなると、

初めに肌肉が痩せていきます。

シワが多くなり、肌に光沢がなくなります。

体質として肌肉の柔らかい人は、脾が弱いです。

人体は肌肉でできているところが多いです。例えば臓腑も肌肉でできています。
 
肌肉は津液や血を必要とするので、津液や血を生成している 脾 が弱ると肉が落ちてきたりぶよぶよと

締まりのない状態になるのです。

慢性疾患の
内蔵機能が落ちている人も 脾 が弱っていて津液や血が不足しているので、臓腑が痩せていてます。




☑口、唇
唇は肌肉でできています。唇に血がなくなると白っぽくなります。

逆に熱証だと赤くなります。

また唇の大きい人は、体質として 脾虚熱証 になりやすく、小さい人は 脾虚寒証 になりやすいです。

また口内炎などの 口の異常 も脾虚のことが多いです。



☑四肢
四肢には肌肉が多い。そのために

四肢の倦怠感 や 痩せていたり すれば脾虚とします。

逆に気血の生成が盛んであれば四肢は充実しているし、同じ脾虚でも 胃に熱が多い人は四肢に力があります。



☑意・智
血がすくなると、意・智の気が働かなくなります。

これにより記憶力が減退して、考えがまとまらなくなります。

ひどくなるとあちこちから出血することがあります。
・血の混じった小便が出る
・急に鼻血が出る
                などの症状は脾の弱りがあるからです。





 脾と甘味

甘味には緩める作用があります。これは

☑固まったものを緩める。

☑緊張を緩める。

☑ひからびたものを潤す

                        などの作用になります。

これは言い換えると、気血津液を多くして体各部を潤すと言う意味です。



この作用には血や津液が必要です。血や津液は、脾の命令で胃腸にて生成されます。この脾を補うのです。

補うことで気血津液の生成を促します。 

例えば、肉体労働をして疲れたときなどに 甘味をとり 気血津液の生成を促し 疲れた体を潤します。

また甘味のモノはまず 肌肉 を栄養します。


そのために肌肉に力がない子供などは、動物性のタンパク質食べさせるよりも穀味などの甘味のあるものを摂らせると良いのです。

ですが、摂りすぎると その緩める作用から 体がだるくなります

また腎の固める作用を弱めるので 太ってしまいます。腎の弱っている人は甘味のモノを摂りすぎてはいけません


例えば、糖尿病は腎虚証で治療します

甘味の食べ物には
☑サツマイモ
☑米
☑ジャガイモ
☑カボチャ
☑蜂蜜
☑ごま
☑大豆製品
☑きな粉
☑トウモロコシ

☑牛肉
☑豚肉
☑鶏肉
☑羊肉

☑コイ
☑あゆ
☑ふな
☑鯛
☑アジ
☑エビ
☑ウニ
☑カキ

☑やまいも
☑ユリ根
☑ウリ
☑タケノコ
☑なす
☑とうがん
☑セリ
☑トマト
☑オクラ
☑キャベツ
☑大根
☑シイタケ

☑なつめ
☑柿
☑いちじく
☑なし
☑スイカ
☑パイナップル
☑バナナ
☑ヤマモモ

・・・などがあります。




 
 
 脾胃で作り出される気には、宗気、陰気(営気)、陽気(衛気)の三つがあります。(=三者を『後天の気』という)


宗気・・・飲食物から生成された精と、吸入した空気が合してできたもの。
     
     上焦(胸)に昇って呼吸作用の原動力となります。



陽気・・・衛気(えき)ともいい、体表を保護し外邪の侵入を防ぐ気となります。
     
     胃を働かす力にもなります。
    
     胃の陽気が不足すれば、消化力も落ちてしまいます。     
     
     胃から肺へ行き、肺の力によって全身へ送られます。
     
     熱性(陽性)で活発的なので、胃から直接体表へ出て汗を出すこともあります。暖かいモノをたべると汗が出る
     
     のはこのためです。
     
     ですが、通常は経絡の流れに沿って全身を巡ります。
     
     昼間や夏は、陽経脈に多く集まり発汗作用を促し、夜間は陰経脈に多くなって体を温めます。



陰気・・・営気(えいき)ともいい、血を全身に流す力があります。
     
     心気のことであり、血を集める肝気のことでもあります。    
     
     『心気はものを固める作用があります。浮き上がるものを引き締める作用ともいえます。この力で休みなく動く心の
      熱が多くなりすぎないようにします。また肝を助けて血を全身に送ります。
      血がさらさらなのもこの引きしめる作用で熱を押さえているからです。                         』
  






 脾と四時《春・夏・秋・冬の四季》

☑脾は土曜に活発に働きます。土用は各季節にあります。

 土用を四季といい。春夏秋冬を四時といいます。

 四時には、それに関係する臓器が活発に働きます。


春=肝・・・肝気が働いて、血を収斂(しゅうれん)します

夏=心・・・心熱が旺盛になって大いに成長すると同時に、勝因の起臥働いて心熱を制御します

秋=肺・・・皮毛を引き締めます

冬=腎・・・腎が津液を蔵し、同時に津液が多くなりすぎないように 命門の陽気(相火) が働きます


しかしこれらが働けるのは脾胃で生成された気血津液のおかげです。

ですので、四時《春・夏・秋・冬の四季》に四蔵《肺・肝・心・腎》が働いた後は、脾が頑張って

気血津液を生成して四蔵に分配するのです。

このような働きから 脾は中央に位置する とも言われます。



 

 
 脾胃の症状(*脾胃だけに限った症状でないものもあります。)

☑関節炎

☑リウマチ

☑躁病

☑鬱病

☑くよくよ悩む

☑全身の倦怠感、

☑胃痛

☑鼻血

☑便通の不調

☑腰痛


☑頭痛

☑膝の内側の痛み

☑歯の痛み

☑口内炎、口唇炎

☑不眠

☑顔面神経マヒ

☑食欲不振

☑食欲の異常亢進


 
 
 ・・・などなど他にも 脾、胃 にアプローチしていくことで改善、完治していく病がいくつもあります。
 

蔵象学(生理学) 心包と三焦について




 心包の蔵象学 (蔵象=西洋学で言うところの生理学)
 
性質
 
・心包(しんぽう)は、心の陽気が表面に出てくるためのものです。

・心包そのものも陽気を受けている

・心の陽気を『君火(くんか)』【気の陽気と血の陽気が合わさったもの=神】といい、

心包の陽気を『相火(そうか)』といいます。

・君火が相火となって出てこないと陽気が巡らないため体は働けません。
 
・臣使の官(しんしのかん)と言います

・心は五臓六腑を統括する役目を持ち、臓腑が分業して、互いに強調して、全体の活動機能を発揮できるように統一指導できる

・臣使の官とは、君火の使いをする臣下という意味

・相火が旺盛であれば、性格が朗らかでゆったりしている。

・膻中(だんちゅう)という胸のまんなかにあるツボは、心包の陽気が多くあって、診断と治療部位となる




 
 心包と腎との関係

●心の陽気(君火)が、心包を介して腎に入ります

腎は、それ自体には陽気がないためにもっともそうかを必要とします

心包から出た相火は、膀胱経を通り腎経に入り五臓六腑に行き渡ります。



●命門(めいもん)=《腎の右をさす。または経穴名で経穴名、石門(せきもん)の別名》
腎の精水(せいすい)と合わさって人体の根源の陽気としての働きをする。
【精水=津液(しんえき)】
これを相火、腎の陽気、命門(めいもん)または、すべての陽気の根源なので三焦原気とも言います

命門の火がないと、腎の水が多くなりすぎて、冷えるようになります




●陰陽の交流
心の陽気(君火)が、腎に下ってきて命門の火(相火)となります。腎に陽気が降りてくる腎の陰気が上がっていく交流がないと、陰気だけが下にたまって体の下は冷えるし、臓器も働けなくなります。

また上に陽気がとどまってしまって、のぼせた状態となり
☑肩こりや
☑耳鳴り、
☑めまい
☑不整脈などの心疾患

などの病を生み出す原因となります。



 腎がしっかりしているために心の陽気が、正常に保たれています

腎の精水(=津液)と相火(命門)が盛んであれば、脾胃がよく働くことができます。

脾胃がよく働けば、気血水(津液)の生成も盛んになります。

そうすれば、腎には津液(=精水)が、肝には血がそれぞれ貯蔵されて、肺気《肺がつかさどる気の機能、または呼吸の気および胸中の宗気、肺の精気》は循環して心にも気血が送られます。

そうして心から相火が出てまた三焦を働く原動力となります。

 

 三焦(さんしょう)の働きと性質
 
・焦とは『こげる』という意味。ここから三焦とは陽気の働きをいったものとなります。

・三焦の働きは、上焦・中焦・三焦 の三つに分類されています。

・心、心包に熱が多くなれば、反応を表します

すべての臓腑経絡の寒熱を調整する役割を持ちます。

・最も熱を受けやすい経絡は三焦経と胆経である

・命門の陽気(腎の陽気=相火)が弱っていると、表裏関係にある三焦の陽気も弱っている。そして全身が冷える
 
●上焦の働き
 
・上焦の部位はむねである。

言い換えると(横隔膜より上)およびその作用になります

・胸には心と肺があります。ここへは胃腸で生成された
営気(えいき) ・・・【飲食物から生じ経脈中をめぐり全身を栄養する精気のこと。栄気、営陰ともいう】

衛気(えき)   ・・・【体表を保護し外邪の侵入を防ぐ気。衛陽ともいう】

宗気(そうき) ・・・【衛気と大気とが結合して胸中に蓄積された気】

が昇ってきます

宗気は呼吸の原動力
営気は血となって、心の陽気となり
衛気は肺気によって全身を巡ります

●中焦の働き
中焦は、脾胃と肝の部分になります。

言い換えると、三焦腑の中部構造とその作用、剣状突起の下端より臍までとなります

脾胃では腎から来た津液と命門の陽気が作用して気血を生成します

気血は胸に昇って上焦の陽気となり、肝は血を蔵して発生を主ります。


●下焦の働き
下焦の部位は、
臍(さい)=おへそ より下を言います。
言い換えると、(臍から下)およびその作用。下焦と膀胱は最も密接な関係です。

下焦には命門の陽気があって全身の働きの源となります

衛気は下焦で発生して上焦に昇ります


下焦は大小便の排泄を行います
下焦のバランスが狂えば大小便の状態にも反映されます。
例えば↓
命門の陽気が少なくなれば、下焦が冷えて
小便が出過ぎますし
下痢

などにもなりやすいです

逆に腎の津液(しんえき=水)が少なくなれば、冷やすものがなくなり熱が多くなります。
☑便秘や
☑熱性の下痢
☑小便が少なくなる

 

 
 
 

 
 心包の症状(*心包だけに限った症状でないものもあります。)
☑腋下が腫れる
☑肘が引きつる
☑手掌が熱くなる
☑胸脇が下から押し上げられたように詰まる感じがする
☑よく笑う
☑心痛
☑胸苦しい
☑動悸
☑顔面が赤い
☑眼が黄色


 三焦の症状(*三焦だけに限った症状でないものもあります。)
☑目尻が痛む
☑難聴
☑耳鳴り
☑耳の後ろが痛む
☑頬が痛む
☑喉が腫れて痛む
☑舌が巻く
☑五十肩
☑口渇
☑胸苦しい
☑尿閉《尿が全く排出できない状態》
☑遺尿《小便失禁または寝小便のこと、遺溺(いにょう)ともいう》
☑口渇《こうかつ=喉が渇いて湯水を飲みたがること》 



 
 
 ・・・などなど他にも心包、三焦にアプローチしていくことで改善、完治していく病がいくつもあります。
 
 

蔵象学(生理学) 心について



 心の蔵象学 (蔵象=西洋学で言うところの生理学)
 
 
・人体の五臓六腑【五臓(肝・心・脾・肺・腎)と六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)のこと】、生命機能、活動の統括するところところです。
 
・一切の精神意識思惟は、すべて心に統括されている。ですので、『君主の官』といわれています

・心は五臓六腑を統括する役目を持ち、臓腑が分業して、互いに強調して、全体の活動機能を発揮できるように統一指導できる



 
 心は陽中之陽

陽中の陽といわれ 陽気が多い。

心の陽気は、両親からもらった先天的なものです。これと胃の陽気(後天的に造られもの=飲食物をとることで造られる)が混じり合って、人は活動します。

常に活動的だから夏の気(1日の中では日中)と通じて、夏によく働きます。
 ↓
【理由】
夏は万物が栄えるとき、つまり陽気が旺盛になります。

人体でも陽気が盛んになって、適度に陽気を『発散』させる必要があります。

陽気を発散させないと、外からの熱の影響で五臓六腑が、熱を受けて働きが悪くなってしまいます。


●汗をかく
心の陽気は、血脈によって全身に送られます。
この血脈は皮毛のすぐ内側を巡っているので、心が活動して、陽気を含んだ血が循環し出すと汗が出やすくなります。ですので、汗は血の変化したもの(心液)だとも言えます。
汗を大量に出しすぎて造血が追いつかないと血が少なくなってしまいます。

まとめると→汗を出すことで陽気を発散して、夏の暑さに負けないようにしているのです。


ですが、心へ作用する『苦み』は、『陽気を発散する』作用とは逆の働きになっています。なぜでしょうか?

 心は苦み(にがみ)を欲しがります
 
・苦みは心に作用します。

・苦みのものは『固める』作用があります。この作用は、酸味の収斂作用(しゅうれんさよう=肝の気に作用する)よりも進んだ作用で、『鎮静』『抑制』の作用があります

 ですが心の陽気を『発散』する作用とは、逆になります。

「※蔵象学では、気と蔵の働きを分けて考えないと矛盾が出てきます。これは心にも当てはまることで   す。
 心を気と蔵に分解すると、心の気は『鎮静作用』、心の蔵は『発散作用』となります。」

・心は陽気の多い蔵であるために、陽気が多くなりすぎると、心熱の病になってしまいます。ですので、 心の気が作用して、心の蔵に熱が多くなりすぎないように『鎮静』しているのです。この心気を補い助 けるのが苦みの役割ということです。

・また、この『苦み』は、腎にも作用して補っています。
 腎は水の多い蔵です。発散させず。堅く。静かで熱が少ないのが良いのです。ですので、心の気に作用する苦みは腎の蔵(腎の気ではありません。)にも作用していると言えるのです。そして腎が補われて水(津液=しんえき)が多くなれば、この水によって心の熱が多くなることを防ぐ役割にもなるのです。
 
 
 舌、色、脈などに関係があります
 
●心の状態は舌に現れます
 ・心に熱が多ければ舌が赤くなります(心気が少なく熱を『鎮静』できていない状態)→ 熱が多くなると   食べ物の味もわかりにくくなります。熱が脾胃にも多くなり、過食、舌炎、口内炎、舌の乾燥、舌に苔  ができるなどの状態が現れます。
 ・また診断するときに舌を診ます。この時上手に舌が出せない方がいます。これは心の陽気が少なく  なっているからです。他にも思うように舌を動かせないなどの症状が現れます。

●顔色に心の状態が現れます
 ・顔面が赤くテカテカと光沢があり過ぎる状態は→心に熱が多すぎます。
 ・逆に顔色が悪く、白くなったり青くなったりするようなときは状態が悪いです。→陽気がない。=神が                                                            ない。

●脈を支配する
 ・『心の合は脈なり、心は血脈の気を蔵す』と素問の五臓生成論や平人気象論という書物に記されています。この脈や血脈とは、経脈のことです。
経脈とは→全身に『気』『血』を循環させています。その原動力は陽気であります。ですので、陽気の多い心の支配されているというのであります。

 
 

 心の性質(心は神を蔵して、喜ぶ感情を生み出します。また他の精神活動を支配します)

心の陽気=血と気が合わさったもの=神

心は前述でもあるとおり『君主の官』といわれます。ですので、心自体の陽気は『君火(くんか)』といわれています。

そして、外に出て働く陽気を『相火(そうか)』といわれいます。相火は『心包』と言われる経絡を通じて外に出て臓腑に働きかけます。


別の言い方をすると心の陽気(君火)が、腎に下ってきて命門の火(相火)となります。腎に陽気が降りてくる腎の陰気が上がっていく交流がないと、陰気だけが下にたまって体の下は冷えるし、臓器も働けなくなります。また上に陽気がとどまってしまって、のぼせた状態となり肩こりや耳鳴り、めまいなどの病を生み出す原因となります。

 心と小腸の関係

・心と小腸は表裏の関係です。

・治療上(臨床上)では、大腸と含めて胃とひっくるめます。

小腸は『太陽経』といわれる経絡に属しています。膀胱もこの経絡に属しています。
小便を排泄する作用に関係があります。小便が出るためには、太陽経を下ってくる気が旺盛でなければなりません。その気とは=心の陽気です。(この時の陽気は、相火です)

・飲んだ水分は、胃から小腸へ行き、膀胱から小便となって排泄されます。これらを働かせているのは、『脾』です。

太陽経の気の循環が悪くて、小便の出が悪いときに、外から更にストレスを受けるとリウマチや関節炎になりやすい。このような時は、心の陽気(相火=心包経の陽気)を補うことで、太陽経の陽気を盛んにすると小便が出やすくなります。

※心の陽気(君火)は生まれたときから持っている『先天の気』です。これを増やすことはできません。病を治療するうえで陽気を補うには、自分で造ることができる『後天の気』を増やすことで解決できるのです。

この後天の気は、飲食物をとることで造られものです。後天の気は胃から飲食物を気血に変えて取り込む必要があります。ですので、気血を生成している脾を補う必要が出てくるのです。脾は、胃の働きにも作用します。 そこで、心包(相火)と脾を補うことで、小便が出にくいなどの症状が改善されます。



 心に虚なし
心の病は実際の治療では、心そのものを補う治療でなく、他の蔵が心の陽気を不足して病を発症するものとして治療を進めていきます。

前述の脾を補ったり肝を補ったりなどです。

心そのものの陽気(君火)が不足する=滅ぶ寸前の重篤な状態ですので、診断の際に重篤な状態でなければ、心そのものが弱っている状態(心虚)とはしません。

日常での治療の中では、重篤で危ない方を診ることはそうありません。ですので、自走していらっしゃる患者さんには、心のそのものの陽気(君火)不足はありませんが、心に熱が多くなりすぎる病は普段の臨床の中でよくあります。
これは、心の気が不足して心の熱を鎮静させることができなくなっていたり、腎が弱って水が不足して、熱を防ぐことができなくなっているために起こってくることです。ですので、治療としては『腎』を補う治療をしていくことになります。

腎の弱りは、年齢を重ねるごとに出てきます。ですので、顔がほてったりするようなことは心の陽気を収めることができなくて起こっていることとも言えます。




 
 心の症状(*心だけに限った症状でないものもあります。)
胸の痛み。胸の苦しさ。脇の痛み。脇下の痛み。手のひらが熱っぽい。

口渇《こうかつ=喉が渇いて湯水を飲みたがること》 

舌炎。口内炎。口唇炎。

食欲がありすぎる。

しゃっくり。よく笑いすぎる。言語障害。顔面とくに眉間が赤い。

難聴。首がこって動かすことが辛い。肩が抜けるように痛む。

高血圧など血圧の以上。不整脈。動悸。

胸や喉が詰まった感じがして苦しい



 
 
 ・・・などなど他にも心にアプローチしていくことで改善、完治していく病がいくつもあります。
 
 



蔵象学(生理学)  肝の生理学

今回のテーマは 蔵象学(生理学)ですhappy01
 
東洋学にもしっかりと生理学があります。それが蔵象学です

東洋学的な視点で見るか、西洋学的な視点で見るかで 一つのものがまた違った形で見えてくるところが何ともおもしろい♪

西洋学的に見ようとすると ??となってしまうところもあるので、「ふ~ん、東洋医学ってそうなんだ~」といった感じで読み進めていただくと

ありがたいですconfident

 
ちなみに 『蔵』は 広義の意味合い
       『臓』は 狭義の意味合い で使われています
 
 五行色体表
 
東洋古典の考え方の一つで、自然界を五行に分けます。他にも人体の部位や働き、病気の原因、病理、病症なども五行、五臓を中心にして分類されています。

そしてこれを表に表したものを 五行色体表(下↓一部抜粋)といいます。
 
五行 木  火  土  金  水
 
五臓 肝  心  脾  肺  腎
 
五腑 胆  小腸 胃  大腸 膀胱
 
五主 筋膜 血脈 肌肉 皮毛 骨髄
 
五官 目  舌  口  鼻  耳
 
五志 努  喜  思  憂  恐
 
五華 爪  面色 唇  毛  髪
 
五味 酸  苦  甘  辛  鹹
 
五神 魂  神  意知 魄気 精志
 
五季 春  夏  長夏 春  冬
などなど 他にもたくさんあります。

 
 
 肝の蔵象学 (蔵象=西洋学で言うところの生理学)
 
 
・カラダの活動を円滑に行わせたり、休息させたりします。
 
・肝がしっかりとしていることで、変化にも動じず適切に対応して、素早く行動できるとしています
 逆に弱っていると、イライラしたり、おどおどしたりします
 (肝の弱り=肝虚)

 肝は春によく働く(発生作用=血によって行われる)
 
 ですので、春は積極的に行動しやすくなります。 
 
 冬に無理をしていると春に肝の働きが悪くなり、調子が悪くなります。


 血を集める作用
 
 肝には収斂作用(しゅうれんさよう)が備わっていて(肝気の作用)、肝に血を集めようとします
 
 血を集めて、貯蔵することでしっかりと働くことができます
 
 
  身体の血流量を調整します
  睡眠の良し悪しはこの作用が大きく関わっています
   例えば【不眠症】 
   血は昼間、必要な場所に行って働いて、夜に肝へ帰ってくる。ですが、血の力不足や血の停滞により
   肝に血が帰れないと眠れなくなるとされています=陰陽の交流が悪い
   昼間に頭に昇った陽気が帰れず夜も頭にとどまってしまうため、目がさえて眠れくなります
 
 
 目、爪、筋を支配しています。肝の調子が悪いと(疲れていると)関連して症状が現れます
 
 目の症状→(かすみ目、充血、近視、色盲、白内障、緑内障、眼底出血、角膜炎、結膜炎など)
 *目がよく見えるのは肝日が多いため

 爪の症状→(爪の色の変化、爪に線が入ったりする、爪がやせて薄くなる)
 
 筋の症状→(肩こり、こむら返り、ばね指、婦人科疾患、腰痛、五十肩、
筋肉痛
         事故や怪我や手術予後がわるい、不眠、精力減退、不妊 ・・・など)
 
 
 肝は酸味を欲しがります
 「酸味の性質:酸味には収斂作用(しゅうれんさよう)があります=引き締めて鎮める作用のことです。」
  
  肝気が不足して→肝に血を集められないときに、酸味を必要としてきます。
  
  ですので、疲れて肝が弱っただるい状態の時は酸味が必要なのです
  
  しかし、酸味はすぐに効かないため肝虚のある人は酸味を嫌いやすいです。
  
  そして一時の元気を得たいために辛いモノを好む傾向にあります。
  (*肝血が不足しているため辛みやコーヒーなどの興奮剤を用いて力を補おうとしているためです)
  
  肝が強くなると、脾胃の働きが悪くなります(脾胃は酸味の収斂の作用を嫌います)ので、
酸味はほどほどがよいとされています。
 
 
 肝の性質(肝は魂を蔵して、判断力や計画性などの精神活動を支配します)
 決断力がありテキパキとしていて、積極的で潔癖に物事をこなしていく心情です
 
 肝がしっかりとしていて血が多ければ、その力によって考えたことがしっかりできます

 血の不足があると頭でわかっていても血の不足のために身体が動かず行動がついて行けません
 
 そのためにイライラしやすく、怒りっぽくなってしまいます。
 
 決断力も鈍っています。
 
 より血が不足してくると消極的になり、人に会うことも嫌になってきます。
 
 
 
 肝の症状(*肝だけに限った症状でないものもあります。)
 冷えのぼせに準ずる症状(めまい、耳鳴り、難聴、肩こり、頭痛、足冷え、鼻出血・・・など)
 
 精神系の病(イライラする、ため息が多くでる、人と会うのが嫌、うつ病・・・など)、
 
 胸痛、心窩部痛、膝の痛み、筋肉の引きつりや麻痺やふるえ(半身不随、パーキンソン病)
 
 婦人科疾患、吐き気、嘔吐、顎関節症、アゴのリンパ腺の腫れ、腱鞘炎(ばね指・・・など)
 
 腰痛、不眠、顔面神経麻痺、坐骨神経痛、便秘、下痢、口の苦み

 目の病(眼精疲労、視力低下、緑内障、白内障、色盲、眼底出血、角膜炎、結膜炎・・・など)
 
 
産後の不調、精力減退、不妊

 むち打ち(首のねんざ)、けがや手術後の予後不良
 
 スポーツ時のコンディション不良や体調不調・・・など
 
 ・・・などなど他にも肝にアプローチしていくことで改善、完治していく病がいくつもあります。



あき鍼灸院
TEL.075-231-7170
メールでも予約を承っております。→/inqfm/general/
 

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