あき鍼灸院 ブログ

味についてのお話し(鹹味=かんみ)

前回 苦味についてのお話しを掲載しました

今回は、『鹹味(かんみ)coldsweats01』です

塩辛い味のことですね。




 鹹味(かんみ)=塩味

☑水(陰気)で固まったものをやわらげる作用があります。
☑潤す作用があります。
☑多すぎると水を取り上げ過ぎて、陽気が多くなってしまう





 『味の鹹はまず腎に走る』(古典書物 霊枢より)

鹹味(かんみ)は腎気をおぎないます。

これには、鹹味の潤す作用が関わってきます

腎は、水(津液)の多い臓です。適度な水を得て堅まる性質があります。

ですが、水が増えすぎると冷えてしまいます。そのために 腎気 が働きます。

この働きは、水を含んだものに塩をかけると 、水が出てきて柔らかくなる。そんな状態です

そして、鹹味はこの腎気と同じ働きを持っているのです





 水を摂る作用

鹹味には 潤す作用 があるとかきましたが、この作用は 水をバシャッとかけて潤すような作用ではありません。

水のあるところから、水を取り出し潤すのです。

ですので、水の少ない状態のとき、例えば腎虚(腎が弱っている状態)の時に鹹味を摂りすぎると、腎から水が摂られて

腎虚が悪化してしまいます。

腎虚の方は、驚きやすく、動悸がしやすくなります。

これは腎が虚すことで、水がすくなり、心の熱を落ち着かせることができなくなるからです。

それに、心の熱が多くなることで心疾患 にもなります。



また血の中にも水(津液)があります。この水が多くなりすぎると陽気がなくなります。

適度な鹹味は、血の中の多すぎる水を摂ってくれるの良いのですが、これが過ぎると逆に水がなくなくなり

陽気が多くなってしまい、血が粘ったり、血が多くなってしまうのです。

血に熱が多くなると(=体を冷やす水の少ない人)

☑口がかわく

☑血圧が高くなる

☑のぼせやすくなる

・・・などの症状が生まれる。

なので鹹味(=塩味)はこうした症状の方には要注意なのです。

逆に低血圧の人には、適度な鹹味は、良薬になるのです。





 を腎と脾、胃と津液の関係

腎の津液は鹹味によって良いあんばいに加減されています。

鹹味によって絞り出された津液は→脾に送られます。

脾は津液を得て活発に働き→胃に働くように命令を送ります。

命令を受けた胃は→飲食物を消化して、気・血・水(津液) を作り出します。

作られた津液は、腎へ送られます。

ですので、適量な鹹味は腎を整え、脾胃にも働きかけるのです。



 鹹味を摂りたがる時

以上を踏まえて、過剰に鹹味を欲しがる方は、腎や血に水が多いとより欲しくなります。



 鹹味(かんみ)の食べ物

☑塩
☑醤油
☑みそ
☑お漬け物
☑大麦
☑くろまめ
☑ささげ
・・・などです

古典書物『素問』には
☑大豆
☑栗

・・・などが記されています。